専門分野に特化して実務経験を増していく

専門分野に特化して実務経験を増していく

スキルを向上させるというのは、なにも資格のリストを増やすことだけではありません。スキルアップに関するアドバイスを与える際には、スキル向上ということを勘違いして、いわば器用貧乏にならないように気を付けるようにアドバイスをすることあります。中には、たくさんの資格を持ってさえいれば、キャリアを伸ばしやすいと考える人もいるからです。

確かに資格を持つことは大事ですが、企業にとってさらに重要なのは、その分野での確かな能力と経験があって即戦力となる人材かどうかということです。そのため、資格よりも実務経験や実績を重視するところも少なくないのです。また、資格が全く関係しない仕事もたくさんありますので、その人の能力やスキルを評価するためには、実務経験の長さがより見られるというものもあります。その代表的な仕事と言えるのが営業職です。営業能力があるかどうかというのは客観的に評価するのが難しいところがありますので、どこでどれだけ勤務をしてきたか、どれだけの実績を挙げてきたのかという点が重視されます。

こうした点を考えると、自分がしたいと思っている仕事であるのなら、その専門分野に特化して実務経験を増していくことをお勧めしています。人材の質が時代によって変化していますが、今は一つの会社に長く勤める人が多くはなくなっていますので、専門的な技術や知識を深める人が減ってきています。一方で、日本はビジネスの競争がかなり厳しくなってきていますので、より専門的で質の高いサービスや製品を出す必要性が増しています。そのため、特定の分野のスペシャリストと呼ばれる人たちの需要がとても高くなっているのです。

時に、一つの分野だけに集中して取り組む人は潰しがきかず、将来何らかの変化があった時に痛い目を見るという考え方をする人に会います。しかし、むしろ色々なことができるものの、どれもスペシャリストというレベルまでのスキルを持っていない人の方が実際の就職状況は厳しい傾向にあります。もちろん、自分が楽しいと思える仕事を選ぶということが前提条件となりますが、一つのことに集中して取り組み、その分野でのスキルを磨く方が良いのです。一つのスキルのレベルを高めていくと、万が一現在の職場でうまくいかなくなっても、同じ業界の中でそのキャリアを評価してくれるところが必ず見つかりますので、安心して仕事を続けられるでしょう。ビル・ゲイツが雇いたいのもゼネラリストではなくスペシャリストのようでよ。ゼネラリストとスペシャリスト。ビル・ゲイツが雇いたいのはどっち?(BUSINESS INSIDER)